ディズニー・カードクラブがお届けする第2回デジタルマガジンでは、「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2021」の出演者が、その魅力と楽しみ方を語ります。
- <ディズニー・オン・クラシック 出演者の方々>
「ディズニー・オン・クラシック〜まほうの夜の音楽会」は、ウォルト・ディズニーの生誕100周年を記念して2002年から始まったクラシックコンサート。ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの名曲の数々を、スクリーンに映し出される映像とともにオーケストラと歌のパフォーマンスで表現したこのコンサートも、今年で19回目をむかえました。
ディズニーファンの間でもすっかりおなじみになったこの公演の魅力と楽しみ方などについて、出演者のみなさんに聞いてみたいと思います。
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- <ファンシーカラー★ダイヤモンド・ライトを持つヴォーカリストたち。左から鹿野浩史さん、牧野元美さん、隠岐彩夏さん>
- 「このコンサートの一番の魅力は、客席とステージとの一体感だと思います」と語るのは、ヴォーカリストの牧野元美さん。「それは、お客様が曲によって手拍子を打ったり、ペンライトを振ったりして曲作りに“参加”してくれることで生まれる一体感です。ペンライトの光は、ステージから見るとまるで星の海で、その世界観を会場にいる方たちと共に作っているという実感があります」と、この公演の魅力を説明してくれました。
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- <「Starting Now ~新しい私へ」を歌唱する牧野元美さん>
- 牧野さんは第1部の2曲目で、ディズニープリンセスの祭典「アルティメット・プリンセス・セレブレーション」の日本版テーマソング「Starting Now ~新しい私へ」のメインヴォーカルをつとめていますが、牧野さんによると「原曲はアップテンポで躍動感のある曲ですが、今回のオーケストラ・バージョンは音の響きに重点を置いた、ここでしか聴けないバージョンになっています。クライマックスの女声4重唱は、聴き所ですよ」とか。
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- <「ゴー・ザ・ディスタンス」を歌唱する鹿野浩史さん>
- 鹿野浩史さんは、2021年5〜6月の公演で初めて「ディズニー・オン・クラシック」の舞台を踏んだとき、ゾクッと体が反応するような感動を味わったといいます。「ステージに立つ僕たちがお客様とキャッチボールをしているような感覚でした。それだけに、歌う側の気持ちとしては、会場の雰囲気に飲まれ過ぎないよう、うまく感情をコントロールすることを心掛けています」と語る鹿野さんは、第1部の中盤で映画『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」でソロをつとめています。
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- <隠岐彩夏さん>
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そんな鹿野さんが毎回の公演で楽しみにしているのは、第1部の最後に披露される「ウィ・ゴー・オン」。ウォルト・ディズニーワールド・リゾートのミレニアムセレブレーションの主題歌で、ディズニーシーでカウントダウンに使用されている曲ですが、メインヴォーカルをつとめる隠岐彩夏さんの温かい歌声の大ファンで、舞台袖でいつも聞き惚れているのだとか。
隠岐さんも出演者ながら、この公演の魅力にとりつかれている人のひとりです。
「特に今回、第2部で演奏される『リメンバー・ミー』は映像とオーケストラの演奏が融合した素晴らしいもので、思わず物語の世界に引き込まれてしまいます。私自身、幼いココと同じくらいの年の子供が2人おりまして、ツアーで会えない我が子のことを舞台袖で思い出して涙を流すこともあります。」
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- <公演中の様子「♪ディズニー ミュージックパレード・ゲームテーマソング」>
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昨年、日本中の多くの公演で延期や中止が余儀なくされた中、「ディズニー・オン・クラシック」のヴォーカリストのオーディションは、従来行ってきたニューヨークではなく、日本で行われました。その結果、ヴォーカリストは全員日本人で行うという、思いがけないターニングポイントとなりましたが、そのことについては皆さん、それなりのプレッシャーがあったようです。
両親ともにディズニーファンで、子どものころからディズニー作品に親しんで育った牧野元美さんは、自身がディズニーファンだけに「初日の幕があがるまでの数日間は、とても緊張して過ごしていました。これまでの公演と比べられるのは、避けようのないことでしたから」と言います。
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- <インタビュー中の様子>
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でも、そんな牧野さんをはじめ、鹿野さん、隠岐さんが口を揃えて言うのは、「むしろ、お客様の温かい反応を受けて勇気をもらった」という言葉でした。牧野さんは、初日のカーテンコールのとき、思わず感動の涙を流してしまったそうです。
これについて鹿野さんは、こう語ります。
「英語によるオリジナルの歌詞だけではなくて、日本語の歌詞をメインに据えることによって、曲が持っているストーリー性がわかりやすくお客様に伝わったのかもしれません。客席からの拍手とか、お客様の表情には、とても温かい気持ちが伝わってきました」。
昨年11〜12月の「まほうの夜の音楽会」や2021年5〜6月「ディズニー・オン・クラシック ~夢とまほうの贈りもの」に続けて出演している隠岐彩夏さんは、「私がこの公演のオーディションを受けることを決意したのは、自分自身がディズニーを大好きだったというだけでなく、この特別な状況で公演を実現させようとする人たちがいるという感動と驚きを感じて、『チャレンジしてみたい』と思ったからでした。その思いを大切にして、ステージに立ちたいと思っています」と語りました。
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- <左から コンサートマスターの青木高志さん、客演指揮者の永峰大輔さん>
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さて、続いては「ディズニー・オン・クラシック」の音楽の司令塔、客演指揮者の永峰大輔さんと、オーケストラ・ジャパン コンサートマスターの青木高志さんにも話を聞いてみましょう。
コンサートマスターとは、客席から見て指揮者のすぐ左側でヴァイオリンを弾いている首席奏者のこと。音の出だしや切るタイミングなど、指揮者の繊細なニュアンスを瞬時にキャッチして楽団員に伝える役割を担っていますが、コンサートマスターと指揮者との相性は、その日の演奏のパフォーマンスのクオリティに多大な影響を与えるといいます。
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- <客演指揮者の永峰大輔さん>
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その点、指揮者の永峰大輔さんは青木さんへの多大な信頼について、こう語ります。
「お互いバイク好きで、リハーサル会場に僕が乗ってきたバイクを見て、二人で盛り上がったこともありました。青木さんとは僕が表現したい音楽について、言葉によるコミュニケーション抜きで『こういうことがやりたいんだよね』と意思疎通することができるんです。そんな風に、あうんの呼吸でわかり合えるコンビネーションは、本当に理想的です」
永峰さんは、2021年5〜6月の「ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの」では客演指揮者として全国ツアーを成功に導いた人。今回の公演でも、その活躍が大いに楽しみです。
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- <コンサートマスターの青木高志さん>
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青木高志さんは「ディズニー・オン・クラシック」初演の2002年からコンサートマスターをつとめている方です。
「このコンサートでは暗黙に、『次はもっといい演奏をしよう』ということをお客様とのキャッチボールを参考にしながら、指揮者と演奏者、すべてのスタッフが協力してアイデアを提案しているところに大きな特色があると思っています。ですから、ヴォーカリストが日本人になっても、これまで繰り返してきた『もっといい演奏をしよう』というマインドに変わりはありません」と青木さんは言います。
「今回のツアーの特徴のひとつに、通常のクラシックコンサートでは用いることが少ない、ユニークな楽器によるパフォーマンスがあり、第二部の『リメンバー・ミー』で、南米ペルーの民族楽器である“ケーナ”を使用しています。
個人的な話ですが、そのケーナを演奏しているフルート奏者の森川道代は私の妻で、公演の半年前から猛特訓しているのを見てきましたので、注目してください。
演奏中のエピソードには、いろんな思い出があります。例えば『星に願いを』を演奏するときは、私が前に出てソロパートを弾くのですが、そのとき、最前列にいたカップルの男性が隣に座っている女性の手にそっと手を重ねたときは、こちらも幸せな気持ちになりましたね。ほかにも、『この会場を選んでプロポーズしました』という話も聞いたことがあります。このコンサートは私にとって、ひとつのライフワークであることは間違いありません」
最後に、インタビューさせていただいた出演者のみなさんおひとりずつに、お気に入りのディズニーキャラクターを伺いました。
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隠岐彩夏さん → ポット夫人『美女と野獣』
かつての公演でポット夫人のパートを担当したことがあり、プライベートでもポット夫人のティーセットを愛用しています。
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牧野元美さん → ドナルドダック
ドナルドは、誕生日が私と同じ6月9日と聞いて、それ以来、親近感を持っています。ドナルドのお尻の曲線をデザインしたお財布は、かなり愛用していました。
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鹿野浩史さん → スティッチ
スティッチが好きで、Tシャツをよく着ていました。たぶん、男の子が「カッコいい」と感じられるデザイン、フォルムに惹かれたんだと思います。
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永峰大輔さん → シスー『ラーヤと龍の王国』
第一印象は、毛並みの色合いに惹かれましたね。顔も友だちの女性に似ていて「彼女と友だちになれたらいいのにな」という想像力を働かせてくれるキャラクターです。
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青木高志さん → ダンボ
妻が大のダンボ好きで、家にはダンボ専用のショーケースがあります。夫婦ともども、「ディズニー・オン・クラシック」をライフワークと思っています。