パペットミュージカルは
「舞台で表現するアニメーション」

新作ミュージカル「ディズニー くまのプーさん」の大きな特徴は、パペットを用いた作品であることです。 プーさんと100エーカーの森の仲間たちはパペットで登場し、パペットの後ろでキャストが操演しています。操演しているキャスト自身が声を出して演技をします。
ジョナサンさんは、これまで数々の作品でパペットのミュージカルを制作してきた、パペットミュージカルのプロフェッショナル。彼にパペットミュージカルの特徴を伺いました。

(ジョナサン)パペットを使ったミュージカルで一番特徴的なところは、登場人物がアニメーションから飛び出してきたそのものに一番近い形で表現することができることです。
現実世界でキャラクターたちを間近で見るという特別な体験をすることができ、「舞台で表現するアニメーション」という風に言ったりします。
見ていただきたいのは、パペットを操作する演者たちが、パペットに命を吹き込んでいくというところ。それが成功した時には、パペット操者の存在が気にならなくなり、パペットだけが存在するように見えます。

パペットミュージカルは「舞台で表現するアニメーション」だというジョナサンさん。
本作でも、ピグレットが風で飛ばされる様子など、人間が演技するのでは真似できない、パペットならではの表現方法を使えることで、アニメーションでお馴染みのシーンを再現しています。イーヨーの歩き方なども、アニメーションからそのまま飛び出してきたみたいです。登場人物たちの動きや会話を見ているうちに、操演キャストの存在を忘れて、プーさんたちが命を持って動いているように思えてきます。

さらに、パペットの作りにもこだわりがあります。
プーさんはキャストの胸くらいまでの身長がある一方、ピグレットはキャストが膝をついてパペットを持つサイズ感。パペットを使うことで、プーさんたちのサイズもリアルに表現されています。
プーさんたちは元々ぬいぐるみなので、パペットで表現することとの相性は抜群です。本作ではクリストファー・ロビンは人間のキャストが演じますが、ぬいぐるみではなく動物であるラビットやオウルもパペットで登場します。
プーさんたちぬいぐるみと、ラビットたち動物、どちらもパペットで表現することについて、ジョナサンさんは「アニメーションとの親和性も保ちながら、本で読むと実際の動物たちが出てくるというところがリアルに見えるような良いバランスをすごく考えました」と制作当時を振り返ります。

(ジョナサン)プーさんはいわゆるぬいぐるみ的な素材で作っているのですが、ラビットはよりリアルな素材で作っています。ラビットとオウルは演出的にも、「自分たちだけが考えることができて頭が良いんだぞ」と思っています。
セリフの中で、オウルが「頭脳があるのは私かラビットくらいだ。他のやつは頭にワタが入っているだけじゃ」というくだりがあって、それはジョークとしても受け取れるし、実際オウルとラビット以外はぬいぐるみだという隠れたメッセージにもなっています。

(小島)やはり初めてプーさんが舞台に登場する時、子どもたちにとっては衝撃なのではないかと思います。アニメーションを家で見るのとは全然違う感覚というか。プーさんたちは元々クリストファー・ロビンが持っているぬいぐるみで、クリストファー・ロビンの想像の世界で100エーカーの森はできていますが、ステージでそのプーさんと仲間たちを見ると、私たちもぬいぐるみたちと一緒に冒険しているような気持ちになります。

プーさんが主題歌にのせて登場すると、その可愛らしい動きに、一気に100エーカーの森の世界へと引き込まれてしまいます。
VIB(Very Important Bear)席の観客は、終演後にランダムで2名の登場人物と一緒に写真撮影ができます。ふわふわで可愛いパペットと間近に会える貴重な機会です。

脚本・演出を手掛けるジョナサン・ロックフェラーさんは、今回日本上演のために初来日。

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